NGV(Natural Gas Vehicle)ジャパン

2050年カーボンニュートラル達成のために

2020年10月26日、第203回臨時国会の所信表明演説において、菅義偉内閣総理大臣は「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言しました。

※環境省HPよりhttp://www.env.go.jp/earth/2050carbon_neutral.html

 これにより、輸送機関の燃料をクリーンエネルギーに転換するための動きに、更に拍車がかかりました。
 欧州の主要な天然ガスを燃料とした輸送機関を推進する団体である、The European Biogas Association (EBA)、Gas Infrastructure Europe (GIE) 、The Natural & bio Gas Vehicle Association (NGVA Europe)、SEA-LNGの共著である“Bio-LNG IN TRANSPORT: MAKING CLIMATE NEUTRALITY A REALITY”(バイオLNGを燃料とした輸送でカーボンニュートラルを現実に)では40トンの大型トラックの場合でのディーゼル車とLNG燃料車のCO2排出量の比較をしています。それによれば、化石燃料由来のLNG(液化天然ガス)に17%のバイオ由来のLNGを混ぜることにより、ディーゼル車両比でCO2を34%削減することが可能であることが報告されています。インフラが整い、バイオLNGの供給量が安定して、100%バイオ由来のLNGを燃料とすることができれば、ディーゼル車両比ではカーボンクレジットが発生するほどのCO2削減が可能です。※下記図参照
 ここで重要なことは、化石燃料由来のLNG、バイオ由来のLNGとも同じ充填設備が使用できるので、インフラ整備の面では一律に開発できることにあります。化石燃料由来のLNGで物流インフラを整え、クリーンな物流を達成しつつ、将来の100%バイオ由来のLNGの到着を待つことができるのです。技術開発はバイオ原料の確保、より効率的なメタン発酵、マイクロ液化プラントの効率化などであり、2050年問題も十分達成可能な目標であると言えるでしょう。

40トンの大型トラックの場合でのディーゼル車とLNG燃料車のCO2排出量の比較

※Source: Bio-LNG IN TRANSPORT: MAKING CLIMATE NEUTRALITY A REALITY :By The European Biogas Association (EBA), Gas Infrastructure Europe (GIE) ,The Natural & bio Gas Vehicle Association (NGVA Europe), SEA-LNG